もっと文章の書き方がうまくなれば・・・例えば村上春樹さんのように。
常日頃からそう思っていたのですが、「村上春樹さんだって、仕事じゃなくても毎日数時間は書いている」と、あるプロライターの方から教えてもらい、ついでに「イチロー選手も毎日基本バッティングのチェックで素振りを欠かさないじゃない!?」と付け加えられました。
やはり文章を書くことは、日々是精進なりです。
そこで、われら一般人が文章がうまくなりたいと思ったときにやるべきことをまとめました。
とくにウェブの文章(ブログ記事)を書くことに焦点を当てていますが、書籍の執筆などにも役立つことがあると思いますので参考にしてみてください。
Webライターズ目次
とにかく文字を読む
「文学」を読む、ではありません。「文字」を読みます。「文字」を読む機会を増やすことで、「書いてあること」をスルーしなくなります。
書いてあることを読むとは、基本中の基本のことなのですが意外と文字を読んでいません。きちんと読んでいるレベルとなると、相当な割合で文字を読んでいません。眺めているだけです。
どんなに長くわかりづらい文章でも、まず1度はトライして読んでみましょう。読まずして、わからないと決め付けるのは、食わずして嫌いと言っているのと同じです。
読むものであればなんでも構いません。チラシでも新聞でも雑誌でも書類でも、メルマガでもなんでも読んでみましょう。眺めるのではなく。
とくに必要に迫られていない人は、逆に積極的に貪欲になんでも読む必要があります。自分の目を文字列に慣れさせておかなければ、人は自然とその能力を失っていきます。去るもの日々に疎しです。いつの間にか「読まなく」なり、「読めなく」なります。
文字列に目を慣れさせていけば、読むスピードも上がります。文字を読むのは、自転車に乗ることと同じです。
文章を書くことに刺激を与える
刺激を自分に与える材料の仕入れ先は、やはりウェブです。ブログやニュースサイトなどから、「文章を書く」関連の記事を読んでみましょう。いろんな記事やブログがあります。そして興味を引かれたタイトルのものをどんどん読んでみましょう。
単に検索窓に「文章を書く」と入力するのではなく、自分の興味ある分野のワードを追加し、より具体的なキーワードをサブキーワードにして検索してみましょう。当然、普通とは違う検索結果に変わりますし、これはSEO勉強の第1歩になったりもします。
ただやみくもに検索するのではなく、一歩深い形のキーワードを創造してみることは、脳への刺激になります。
ツイッターを利用する
自分のツイッターアカウントから、「文章を書く」関連の記事を探し出すこともできます。「ツイッター検索」窓に検索ワードを入れて探してみましょう。
自分のタイムラインにいつも流れてくる状態にしておくことが大事です。フォローしたりリツイートすることで、タイムラインに関連記事が流れるようになります。
ツイッターのフォローの仕方やその選び方などについては、「Webライターとブロガーが知って得するツイッターのこと~第3回」をご覧ください。
ブログを読む
上記検索に出ているように、文章についての何かしらの記事やブログがあります。なかでもオススメのブログはライフハッカーというブログです。海外記事の翻訳ものですが、自己啓発的内容が充実していてマインドセット面で役立つ記事が多くあります。
最近ではキュレーションサイトという便利なものもあるので、ブログと同様にブックマークしておき、できるかぎり頻繁にチェックしましょう。スマートフォンでアプリから・・・という方法でもかまいません。
とにかくたくさん読んでみることです。たくさん読むこと自体が、自分の文章の書き方に影響を与えます。本を書くときも同じですが、本を書いてる期間は、よく本を読むものです。
2ちゃんねるのまとめサイト閲覧アプリ:Marimba 2Log
「まとめサイト閲覧アプリ」(ブログサイトのまとめ)を一つオススメします。興味あるブログを見つけ出すときに、このアプリは非常に重宝しています。
毎朝約100記事くらいのタイトルをこのアプリからチェックします。興味ある記事を開いて読んでしまうと、ある程度の時間を使います。30~40分と言ったところでしょうか。しかし大事な情報収集の時間です。多少長くなっても仕方ありません。
RSSリーダー「マリンバ」。アプリを開く最初では全面広告がポップアップされなかったり、全体的にも広告量も少ないので素早く閲覧もできます。余計なストレスなく閲覧できます。
マリンバのダウンロードはこちらです。→iTunesプレビュー「マリンバ」
上の画面をスクロールすると、時系列にいろんなブログが表示されます。この状態で、興味ある記事かどうか、上手いタイトル付けかどうかなどを上から下へスクロールしてチェックしていきます。素早くチェックしていくトレーニングです。
むかしむかし、巨人の星の主人公・星飛雄馬(ほしひゅうま)が速いボールを見切れるようにするための練習で、線路の脇から電車の窓を見ていたのと同じ状態です。(古すぎて知らない人が多いと思うのですが、あえて説明させていただきます)
それほどたくさん素早くチェックするという意味です。
まとめサイト閲覧アプリを使うことで、気になる記事や話題をいち早く知れるのと同時に、キャッチーなブログタイトルのつけ方の勉強にもなります。
毎日たくさんのタイトルを眺めているだけでも自分の記事タイトルの参考になるのです。ただ必ずしもSEOを意識したタイトルばかりではないという点は気をつけましょう。
たくさんのサイトを閲覧することは、書いていこうする気持ちに拍車をかけます。また、「書くネタ」を想像することにとっても効果的です。
通勤時間の電車の中でスマホで読んでみたりするなどの時間づくりについても工夫してみましょう。意外と時間ってあるものです。
模範になる人をピックアップする
憧れの存在を見つけることは、「うまくなる」ということにとって1番の近道だそうです。
(水野敬也さん著 「夢を叶えるゾウ3」(飛鳥新社)より)
僕の憧れの存在といえば、村上春樹さんです(正直言うと、東野圭吾さんもです)。 そこで、さっそく2015年の年明けからネットで話題になっている「村上さんのところ」を楽しんで見ています。
そのツイッターをフォローすることで、スマートフォンからでもちょっとした時間でも読めるし、村上さんのコメントに対する周りの評価も読める。ツイッターはそういう意味でも便利です。
「村上さんのところ」(@murakamisanno) | Twitter https://twitter.com/murakamisanno
楽しく読んでいたら、アタマをガツンと殴られるような衝撃の記事がこの中にありましたのでご紹介します。この記事を見て(村上さんのコメントを読んで)、動揺してはいけません。正直、僕は若干めまいがしました。
下の一覧の赤チェックを付けた記事です。
2015-01-16
文章を書くのが苦手です
村上さんにおりいって質問・相談したいこと
村上さん、こんにちは。いつも楽しくご本を読ませて頂いております。
私は現在大学院生で、レポートやら、発表する際の原稿やら、教授へのメールや手紙やらなんやらで、とにかくたくさん文章を書かなくてはいけないのですが、なにぶん文章を書くのがとても苦手です。しかしながら書かなければ卒業も出来ず困りますので、仕方なしにうんうんうなりながら書いております。どうにか文章を書きやすくなりませんでしょうか。なにか、村上さんの「文章読本」的な考えをぜひお聞きしてみたいです。
(櫻井、女性、23歳、大学院生)
この質問に対する村上さんの回答が衝撃的なものでございます。(以下)
文章を書くというのは、女の人を口説くのと一緒で、ある程度は練習でうまくなりますが、基本的にはもって生まれたもので決まります。まあ、とにかくがんばってください。
村上春樹拝
このように、模範となる人や憧れの人などを自分の中に設定し、その人の文章はもちろん、考え方をも吸収していくことは、上達への近道です。スポーツでも上手い選手をお手本にするように、文章を書くことも同じです。
上記の回答は、村上さんのあまりにも村上さん過ぎる回答だと思います。ぐうの音も出ないとはこういうことを言うんでしょうか。
でも逆に言うと、ある程度は練習で文章は上手くなるということです。「基本的にはもって生まれた・・・」ということは、努力次第でなんとかなるということの裏を返した意味に聞こえます。(僕だけでしょうか)
文章を書くことにおいて「もって生まれた」とは、「書くことができるか」「できないか」ただそれだけの違いではないのでしょうか。
ゾウの鼻が生まれもって長いように、努力にはある程度の限界もある。(村上さんふうに解釈)
嬉しい事に当初3月までの予定だったこのサイト。5月まで延長をするという告知が出ていました。
とても楽しく勉強にもなったサイト「村上さんのところ」だったのですが、5月1日をもって終了しました。村上さんありがとうございました。
でもやっぱりすごい人気だった結果、このサイトの本が出版されるようです。
またしてもベストセラー・・・・
理解ある周囲には宣言する
当たり前かもしれませんが、文章を書いていく際は、周りに「文章を書く」と言いましょう。ただし周囲だけにしましょう。それ以外の人には、伝えないようにしましょう。邪魔が入るだけです。
「協力をお願いします」と付け加えてもいいでしょう。「文章を書いていくので、協力してください」と。
文章を書くことを広く宣言してしまうと、理解のない人がいろんな誘いをかけてくるかもしれません。はたまた意地悪な上司が、わざと仕事のノルマを増やしてくるかも知れません。
とにかく気をつけながら、信頼の置ける周りにだけ伝えておき、文章を書いていきましょう。文章を書くことにおいて、静かにしておくことはとても重要です。
時間と場所を確保する
できるだけ集中できる空間をつくることが重要です。そこで以下の3つの方法を検討してみてください。
朝の時間を確保する
これまでいろんな時間帯で文章書きを試してみましたが、やっぱり朝が1番集中できるのではないでしょうか。集中ということだけに関してだと、「夜」という人もいるかも知れませんが、普段忙しい人が1番作り出しやすい時間帯は朝だと思います。
朝は周りからの邪魔が入りにくいのも利点です。1日の始まりを文章書きで始めてみましょう。
SNSの時間を減らす
同時に電話も減らす。SNSで情報収集する時間は大事ですが、友達との会話を少し減らします。全部無くしてしまうことはないのですが、無駄だと自分が思うつきあい電話は減らします。
自習室を利用する
以下の検索結果でわかるように、最近では「自習室のまとめサイト」まであります。
自習室は多少なりともお金を払って時間と場所を確保することになるなので、ムダにしたくないという気持ちが働き、そのぶん文章書きにも集中できます。
また、wifiなどのインターネット環境が整っている自習室も多くあります。
書くことにポリシーを持つ
このWebライターズのポリシーのひとつは、「最大限に智恵を絞り出し、惜しまず、質の高い、中身のある記事を書いていこう」というものです。
気持ち的は部分も含んでいるので「ポリシー」と呼んでいます。読んでいただける方のためになる記事をこれからも追求していきたいと思っています。
どんなポリシーでもいいと思うので、「文章を書く」ことについてなにか指針があると継続性も出てきます。
そして本を読む
わかりきっていることですが繰り返します。「本を読む」。どんなジャンルであっても構わないです。興味があり読みたいと思う本をとにかく読みましょう。たくさん読んでみましょう。
うまい文章や調べた言葉はキープする
スマートフォンのメモ機能を利用する。本や雑誌を読んでいて、知らなかった言葉やすばらしいと思える表現などがあったら、その場でメモに打ち込んでおきます。
ひらめいたらメモをする
「今度書こう・・・」と思うとおそらく忘れてしまいます。後になって何か書かなければいけなかったとは思い出せても、「なんて書くんだったっけ・・・」となってしまいます。
ベストセラー作家の本田健さんが去年のブログに書いていらっしゃいました。
今は、MacBook Airを4台持っているので、それぞれ、数カ所の書斎、車に置いてます。クラウドで同期しているので、パソコンを空けると、3秒で原稿が書き始められます。そのときに、立ち上がるのを待っていたら、書くことを忘れそう。なので、ハードディスクのパソコンにはもう戻れないですね。
本田健の はひふへほっとコラム『原稿のゲラに埋もれる生活! ~本が続々出ます~』より
MacBook Airを4台なんて買えない(買ったらどこかからカミナリが落ちてくる)ので、まずはメモでいいと思っています。メモにしましょう。ズボンのポケットに入るサイズの小さなメモを持ち歩くのもいいです。
イメージトレーニングをする
自分がすらすら書けている姿をイメージしましょう。こうなりたいという理想の姿をイメージすることで、目的達成にいち早く近づけます。ゴルフのショット前の素振りです。
電車でスマートフォンを使って・・・と先に書きましたが、どうしようもなく通勤電車が混雑していて、手も挙げられないような状態で通勤されている方のイメージトレーニングの方法があります。
それは、「電車が動いている間に、次の駅で乗ってくる人がどんな人だろうかと想像する」ことです。
最初のうちはまったく当たりません。しかしそのうちときどき当たるようになってきます。「予知」ということになると思うのですが、あまり肩に力を入れずに取り組んでみてください。
ようは、ボーっとする時間をあまり作らないということと、どんな状況でも「何かはできる!」ということです。
そして最後に「村上春樹」を読む
言わずもがな、村上さんはまさに「神」です。作品の多くが日常をテーマにしてそこから派生するさまざまな出来事なのですが、ご存知の独特の世界観を創りだしているのでそれを村上ワールドと言い、そのファンはハルキストと呼ばれます。
前段のスマートフォンのメモ機能に1番数多くキープされている表現や文章が、この村上さんの作品の中からです。
PS. SNSとパラレルワールドを考える
SNSなどウェブの文章次第でいくらでも自分を飾ることができることに、この本を読んで改めて気づきました。ウェブは本当の自分の思いを書くことも、うそを書くこともできます。もうひとりの「自分」を異空間に作れるのです。
タイトルどおり、「1984年」とパラレルに存在する「1Q84年」を小説家志望の主人公は行き来します。小説を書きながらストーリーは進行していきます。社会問題も織り込まれていて、さまざまに考えさせられる作品です。
この小説が発売された年に、Facebookが流行り始めました。その前年にツイッターが流行り出していました。
文章の書き方を上達させながら、SNSのことまでを絡めて考えていかなければいけない時代になりました。

川添勤

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